知識や概念を、共有・活用しやすいように、体系化するための方法論。
知識の獲得に関する研究が進むにつれて、知識を記述・共有・再利用することが難しいことがわかってきた。
エキスパートシステムには、知識の整備・保守に多くのコストがかかっていた。
この問題を解決すべく研究されたのがオントロジー。
オントロジーの語源は、哲学用語の「存在論」。
オントロジーは、知識を記述するのに使用する語彙の意味と、語彙間の関係性を、他人と共有できるように明確なルールに基づいて定義する。
関係性は、意味ネットワークにおけるis-aの関係、part-ofの関係のような表記がされる。
オントロジーには2種類がある。
①ヘビーウェイトオントロジー(重量オントロジー)
記述を哲学的に考察し、厳密に設計することを重視した方法であるため、時間や労力がかかる。
Cycプロジェクトと同様に、厳格な定義と知識の追加を人間が行う。
②ライトウェイトオントロジー(軽量オントロジー)
関係性の正当性については深く考えず、とにかく使えればいいという、効率化を重視したオントロジー。
情報をコンピュータに取り入れて、自動的に概念間の関係性を見つけさせる。
自動化しやすいため、テキストマイニングやビッグデータ解析などに利用されている。
2009年4月にIBMが発表したWatson(ワトソン)は、ライトウェイトオントロジーを応用している。Watsonは、アメリカの有名クイズ番組「Jeopardy!」に参加してチャンピオンと対戦、勝利した。
またオントロジーは、自然言語処理やセマンティックウェブの分野で、情報の意味を定義するために使用されている。